私の男
桜庭 一樹
文藝春秋 刊
発売日 2007-10-30
文学の皮をかぶった変態小説 2010-01-13
一言で言うと変態小説。
倫理上のあたりまえと主人公の父と娘のあたりまえ、後者を無くさないために繰り返される罪。
物語は結末から展開され、章を追うごとにすべての始まりへと逆再生で進んでゆきます。
読み進めるほどに解けてゆく父と娘の謎。
官能小説という言い方では安っぽいけど文学と表現するには賛否両論ある。
恋人にもなれず普通の親子にもなれず、父と娘の苦悩はひたすら陰鬱でもどかしく切ない。
ぼんやりとした後味の悪い結末が何とも言えない。
この本を気に入ったら(もしくは読む前に)同じ作者の前作『少女七竃と七人の可愛そう大人』も読んでみる事をお勧めします。似たような題材ですがこちらの方が入りやすいかと思います。
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