まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
三浦 しをん
文藝春秋 刊
発売日 2009-01-09
やり直しのきかないことはない 2009-12-15
本書の裏テーマは「やり直しのきかないことはあるのか?」というものだと思います。
丁度、本書を読んでいるときの自分にはある手痛い出来事があり、その痛手に苛まれているときでした。
費やした時間、労力、すべてが無駄なことだったのではないかと思われ、大きな脱力感と無力感に陥っていました。
最初は、単なる話題作を読むという動機で本書を読み始めたのですが、心に傷を負い、それをひきずったままの主人公の心の推移にどんどん引き込まれ、「やり直しのきかないことはないのだ」ということを主人公が悟るエンディングを迎えるころには、自分の陥っている心境と見事にシンクロしてしまい、はからずも泣いてしまっておりました。
私の凹んだ心を軽くしてくれた本書に感謝を込めて、星5つをつけさせていただきます。
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