利休にたずねよ
山本 兼一
PHP研究所 刊
発売日 2008-10-25
三毒を志へ昇華させた利休 2010-01-14
利休が死ぬ場面から時をさかのぼって物語が紡ぎだされるという構成がまず面白いです。
話者が利休だけではなく、利休の周りにいる人からの視点へ何度も変わることで、客観的に見た利休の姿を想像することができます。
多角的に利休を見ればみるほど、その超越的な才能を持ち合わせながら、人間的な部分も感じとれました。
一番好きなシーンはいろいろありますが、中でも心に残ったのが、
利休がこれから大宰府へ流されてしまう宗陳に対して言った言葉。
「人は、だれしも毒をもっておりましょう。毒あればこそ、生きる力も湧いてくるのではありますまいか」
「肝要なのは、毒をいかに、志にまで高めるかではありますまいか。高きを目指してむさぼり、凡庸であることに怒り、愚かなまでに励めばいかがでございましょう」
仏教の教えの中に三毒追放というものがありますね。己の成長のためにと思い、私も心がけておりますが、なかなか人間くさくて実行できないこともあります。
天才的な審美眼をもち、超越した仙人のような存在に見えた利休も、自分のいやな「毒」と向き合っていたのかと思いました。
毒を昇華させることで、人間成長できるのかもしれません。
このような利休からの教えはもとより、そのほかの歴史的な魅力的な人物も堪能できます。
おすすめです。
利休にたずねよ |山本 兼一
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